社長ブログ

老後破産、、、

2025/09/26

おはようございます。今回は、「老後破産」についてお話したいと思います。近年、ニュースや報道でも「老後破産」という言葉をよく聞くようになったと思います。医療の発達などによって国民の平均年齢が上がり高齢化社会、そして、超高齢化社会に進んでいる状況ですが、その裏で、老後になって経済的に破綻してしまう人が続出しているのです。老後破産になってしまう要因はいろいろありますが、ここでは住宅ローン、リースバックについて説明したいと思います。

 

まずは住宅ローンです。住宅ローンの返済の仕方に失敗して家を失ってしまうことになったという事例です。Aさんは、定年退職し退職金をいただきました。早めに住宅ローンを終わらせたいという考えから、退職金全額を住宅ローンの返済に充てたそうです。全額返済まではできなかったそうですが、気持ち的には残債が減ったことに安心していました。しかし、なかなか再就職先が決まりませんでした。年金だけでは生活していくことが精一杯で、預貯金を切り崩しながら、残りの住宅ローンを支払っていました。が、遂に、支払えない状況になってしまい、Aさんは売却することにしたそうです。築年数も経過しており、建物の状態も悪かったことから、思ってたよりも低い価格での処分となったそうです。Aさんは、「退職金を全額住宅ローンの返済に充てず、再就職先が決まった後に、収入と支出をしっかり把握した後で、退職金の使い方を考えればよかった。終の棲家と考えていたのに、この歳になって引っ越すことになってしまった、、、」と後悔したそうです。今回のAさんの例は比較的珍しくありません。老後になり収入が現役時代よりも減ることから、先に住宅ローンを減らしておきたいという気持ちは分かりますが、まだまだ老後は長いです。お金は「時を稼ぐ道具」という見方もできます。手元に置いておくことで時間を稼ぐことができ、その間にいろいろと対策を練ることができます。退職金を全て返済に充ててしまい、苦しくなってきたので、追加で融資してくれませんか?と金融機関に依頼したとしても、金融機関は聞く耳を持ってくれないと思います。助けてくれません。なので、ご自身のせっかくの退職金ですので、これからの長い生活をどのように過ごしていくのか、再就職先での給料と年金でいくらの収入になって、生活費などの支出はいくらなのかしっかり把握してから使い方を決めましょう。

 

次はリースバックで老後破産に陥ったBさんのお話です。老後になり、就職先がなかなか決まらず、収入が年金だけとなり、これからの生活が不安になっていたBさんはTVのCMで流れていた「リースバック」を検討することにしたそうです。リースバックとは、自宅などの不動産を第三者に売却し、その後は、その購入した第三者に家賃を払いながらそのまま住み続けることができるという方法です。売却資金は入るので手元にお金を残すことができます。そこから家賃を払っていけば良いのです。しかし、Bさんは売却代金全額を手元に残すことはできませんでした。なぜかというと、住宅ローンが残っていたからです。売却できた代金から住宅ローンを完済したので、あまり手元に資金を残すことはできませんでした。ただ、慣れ親しんだこの家を引越したくないという気持ちから、残った資金と年金で家賃を支払っていけていました。しかし、ここで落とし穴が、、、。Bさんの家は築年数が経過しており、経年劣化により設備などに不具合が出てきていました。通常の賃貸では設備の不具合はオーナーの責任と負担で補修、交換など行ないます。しかし、リースバックの場合は、居住中の設備の不具合、故障については、居住者の負担で補修、交換など行なうようにしているケースが多いです。経年劣化により、給湯器が寿命のため壊れたり、エアコンが使えなくなったり、ガスコンロに不具合が出たり、、、と、いろいろ出てきてその都度出費が増え、とうとうBさんは家賃の低い賃貸物件に引越すことに決めたそうです。Bさんは、「まとまった資金が入ってくるというリースバックの良い面だけを見ていたと思います。リースバックの際の家賃、そして、内容についてももっと交渉、話し合いをするべきだったと思っています。引っ越した今思うのは、給湯器やエアコン、ガスコンロの交換に充てたお金がもったいなかったです。リースバックせずに、一般的な売却をして、住宅ローンを完済した後に残った資金と年金で無理なく生活できる賃貸に引越ししておけば、、、と後悔しています。」

と仰っていました。

 

いかがだったでしょうか?今回は、老後破産に陥った要因が住宅ローンとリースバックについてお話させていただきました。Aさん、Bさんともに共通していることは、一時的な解決に目を向けてしまい、長期的な計画ができていなかったということだと思います。退職金での繰上返済も、まとまった資金が入るリースバックも、一時的な解決であって根本的な解決にはなっていませんでした。ただ、老後破産は誰にでも陥る可能性があります。そうならないように、これからの収入と支出を把握し無理のない計画をたてることが大事ですね。