「サブリース」には気を付けろ
おはようございます。今回は「サブリース」についてお話したいと思います。よくTVのCMで流れていることもあるので聞いたことがある方も多いと思います。この「サブリース」とは、マンションやアパートなどの賃貸物件をそのオーナー様からサブリース会社(管理会社)が一棟まるごと借り上げ、オーナー様から賃貸経営を引き受けて、サブリース会社が入居者募集をして転貸します。オーナー様には、入居が決まらず空室があったとしてもサブリース会社から保証賃料(本来の賃料の約80~90%が相場)が毎月入ってきます。
これだけ聞いたら、オーナー様にとっては至れり尽くせりの仕組みだと思いますよね。実態は全然違うと言っても過言ではありません。このサブリースでトラブルを抱えているオーナー様はかなり多いです。
このサブリースの仕組みからみると、サブリース会社は入居の有無に関わらずオーナー様に保証賃料を支払わないといけないので早めに入居付けしようと思っています。なので、入居審査をゆるくしてオーナーとしては望まない入居者と契約してしまう可能性も十分考えられます。「どんな人でもいいから入居させてしまえ」っていうのがサブリース会社の本音でしょうね。そして、サブリース会社との契約が解約になった際、新たに管理会社を依頼しない限り、オーナーご自身でその入居者たちと対応しなければいけません。大変なのは目に見えています。
サブリースは確実に保証家賃が入ってくるので滞納リスクがないというメリットがありますが、デメリットのほうがはるかに多いです。そのデメリットについてご説明してまいります。
- 免責期間があります
…サブリース会社の中には、入居者の退去に伴い、数ヶ月の保証賃料の免責期間を設けているところがあります。つまり、退去してから数ヶ月間はその保証賃料が入ってこないということです。1ヶ月~3ヶ月になっているケースが多いです。これでは、急に家賃収入が減ることになるので安心して運営できません。
- 入居者を選べません
…通常の管理委託する場合は管理会社からオーナーに「このお客様が入居を希望しておりますがよろしいですか?」と確認の連絡が必ずあります。なので、オーナーのほうではどのような人物なのか事前に把握することができますが、サブリースの場合は、先程お伝えしたようにサブリース主導で決めていくのでお客様の内容を知ることができません。もしかしたら周囲の人とトラブルを起こしそうな人が入居するかもしれません、それが影響して他の部屋の人が続々と退去してしまったら、オーナーとしてはたまりませんよね、、、。
- 保証賃料の改定があります
…通常のサブリース契約では、2年ごとの契約更新手続きがあり、その度に保証賃料の改定が盛り込まれていることがほとんどです。入居者からいただく賃料が減っていれば保証家賃も減額となります。年数が経過すれば、それに比例して募集家賃は下げざるを得ない状況になる可能性が高いと思います。よっぽど高性能の設備を入れるとか大規模リフォームしないとなかなか家賃を上げることは難しいです。よって、更新の度に保証賃料は下がっていくでしょう。ローンを組んでその物件を保有しているオーナー様の中には、保証賃料が下がっても月々のローンの返済額は下がらないので手出しが発生している方も実際はかなり多いです。
- サブリース会社が倒産したら全部オーナーにのしかかってくる。
…万が一サブリース会社が倒産した場合、もちろんですが、保証賃料は入ってこなくなります。空室と家賃滞納により家賃収入の減少に繋がります。その後はオーナー自身で管理することになるので入居者と対応しなければいけません。なかなか自分では対応が難しいと思って管理会社に委託しようとしても、もしトラブルの多いマンションだったりアパートだったりすると管理をお断りされることもあります。なので、やはり事前にどのような方が入居するのかオーナー自身が把握しておくことは大事ですね。
- 解約しにくいです
…サブリースが不要になったり、オーナーの事情で解約したいと思っても、簡単に解約できません。厳密にいうと、このサブリース契約も借地借家法が当てはまるので、サブリース会社からは中途解約はできますが、オーナーからは「正当な事由」がないと解約できません。家賃運営が難しくなったと思って売却しようとしても、この「サブリース契約」が承継されるようになっているケースが多いです。サブリースを嫌がる投資家のお客様も多く、そのようなお客様は、サブリース契約が付いている物件は避ける傾向にあるので、売却にも影響してきます。
このようにサブリースはデメリットが多いです。しかし、もちろん、ちゃんとオーナー様のことも考えて、オーナー様の希望や要望も盛り込んだ契約を結んで、ちゃんと運営してくれているサブリース会社も存在します。サブリースを検討する際は先程のデメリットを少しでも解消できるような内容を盛り込んでもらえるように相談してみてはいかがでしょうか?そして契約の前にはちゃんとこちらの要望が盛り込まれた内容になっているかしっかり確認しましょう。