物件状況確認書(告知書)の事前チェックは大事ですよ‼
おはようございます。今回は「物件状況確認書(告知書)」についてお話したいと思います。「物件状況確認書(告知書)」は、契約前に売主様が生活をしていて知っていること、認識していることを事前に買主様に伝える書類で、引渡し後のトラブル防止のための書類です。
この「物件状況確認書(告知書)」はひと昔前はなかったそうです。現在でも正確には「物件状況確認書(告知書)」の交付は義務ではありませんが、重要な内容、事実は告知の義務があり、記載を怠ることでトラブルに発生する可能性もあるため、近年では交付しているケースがほとんどだと思います。弊社では全ての取引に交付しています。
「物件状況確認書(告知書)」は、こんな感じで土地・建物・周辺環境の3つの項目に分かれます。
まず、土地ですが、境界の状況をお伝えします。越境している、越境されている箇所があれば、その内容を記載します。図面を添付するとより詳細に説明できると思います。そして、敷地内残存物も確認も大事です。特に見落としがちなのが、「井戸」です。例えば、相続で引き継いだ物件だと住んだこともない物件の所有者になったりすることもあると思います。そのときは不動産会社の担当と一緒に敷地内全体をしっかり確認しましょう。「井戸」については嫌がるお客様もいらっしゃいます。「井戸」があっても現在は利用していない場合は、そのまま引渡すのか、売主様のほうでお祓い、埋戻しなどするのか、事前に決めておくことが重要です。
次に建物です。過去に雨漏りがあったかどうか、あった場合、いつあったのか、そして、修理済なのかどうかを記載します。そして、シロアリや建物の瑕疵等についても同じように記載します。ここで注意してほしいのが、これは売主様が詳細に検査して現在の事実を伝えるものではなく、雨漏りの存在やシロアリの存在を「発見している」「発見していない」という売主様の認識を問うもので、事実として雨漏りがないかどうか、シロアリがいるかどうかは別問題となります。なので、この「物件状況確認書(告知書)」は、売主様が売買契約時の不動産の状況がどのようなものであると認識しているかを表すものです。
なので、売主様の認識と現在の物件の状況が違っているケースもあると思います。そこで、より正確に作成するために「インスペクション(建物状況調査)」を推奨しています。これは建築士などの資格者による住宅診断のことです。インスペクションは約5~10万円の費用がかかり、又、義務でもないことから、現在もあまり認識されていない点もありますが、売主様からすれば、現在の物件の状況を把握できるので引渡し後のトラブルを未然に防ぐことができる、買主様からすれば、安心して購入することができます。お互い、winwinになります。これからはインスペクションの必要性が高まってくると予想されます。
そして、最後は周辺環境です。買主様は県外から引越してくるケースもあり、周辺環境については何も分からないという方も多いと思います。なので、売主様は詳細に記載してあげることで買主様も安心されると思います。騒音、振動、臭気、周辺環境に影響を及ぼすと思われる施設、近隣の建築計画、電波障害、事件、事故、火災の有無など、チェック項目は多々あります。そして、意外に漏れているのが町内会の内容です。町内会があるのかないのか、ある場合、それは任意なのか、会費はいくらなのか、行事ごとはあるのか、役員は当番制なのか等、詳細に説明してあげると買主様にも喜ばれると思います。売主様ご自身が町内会について知らない場合、不動産会社の担当にご相談してみてください。町内会長さんのところに伺って詳細を聴き取りしてくれると思います。
他に、マンションの場合は、売主様は管理費や修繕積立金の変更予定も事前に管理会社、管理組合に確認してお伝えしてあげたほうがトラブル回避になります。「購入した次の月に、管理費、修繕積立金が増額になった、、、聞いてない‼」というトラブルにならないようにしておきましょう。
このように、「物件状況確認書(告知書)」は引渡し後のトラブルを回避するために、重要な書類です。売主様は正直に認識していることを全て詳細に記載しましょう。