リースバック 条件があります!!
「リースバック」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。
最近では、TVCMやメディアなどでもよく取り上げられていますよね。
リースバックとは、ご自宅などの不動産を購入してもらって、購入してくれた方と賃貸借契約を結び、家賃を支払いながらそのまま住み続けることです。
ただ、リースバックは条件調整が一番難しいのです。
購入してくれる投資家や不動産投資会社がいくらで購入してくれるのか、
そして、毎月支払う家賃をいくらに設定するのか、
この2点が大きなポイントになります。
高く購入することになったら投資家は高めの家賃を要求することになり、
売却する側は家賃を低くしようと思ったら、売却代金も低くなってしまうので希望していた額にならないことも多いでしょう。
なんとか条件調整ができ、無事売却できたからと言って安心してはダメです。
賃貸(リース)契約の費用を重視していない方が多いです。
購入する投資家、不動産投資会社の提示された計算書を鵜呑みにしてしまい、損をしているケースがありますのでお気を付けください。
【事例】
リースバックを検討されていたA様は、弊社にご相談する前に、TVCMでも流れている不動産会社にリースバックを相談して、
「価格」「家賃」は比較的簡単にまとまったそうです。
そして賃貸借契約に関する計算書を提示されたそうですがそこには考えられない程の費用が・・・
賃貸には関係ないと思われる項目もあったので、不安になって、弊社にお問合せいただきました。
計算書を見させていただき、ビックリしました‼
A様が感じられたように、不要な項目がたくさん記載されていました。
ご紹介したいと思います。まずは、記載されていた項目で正しいものですが、
■敷金…家賃滞納の際の補填などのために必要です。
■保証料(家賃保証会社)…家賃滞納があったときのリスクをなくすために必要です。
■火災保険料…賃貸の場合、必ず加入しなければいけません。
■前家賃…賃貸の場合は当月末までに翌月分を支払うような前家賃になっているサイクルが多いです。
については、通常の賃貸借契約の際にも当然かかってくるので問題ありません。
ここからが問題です。
- 礼金
…礼金はオーナーに対する御礼金の扱いなので、オーナーにとっては敷金のように返金の義務はありません。売る側、買う側で話は付いているのに、「礼金」を別途支払う必要はないと思われます。その不動産会社は敷金1ヶ月に対し、礼金は3ヶ月分請求していました。
この礼金は支払う必要はないと思います。
- 測量費用
…今回の物件は戸建てだったんですが、賃貸借契約の際に測量は必要ありません。売買の際に、諸条件として測量がその条件の中に入っているのなら分かりますが、売買契約書には「境界については売主の明示による」となっていて測量の件は記載されていませんでした。
この測量費用も支払う必要はないと考えられます。
- 土壌汚染調査費用
…賃貸の際の計算書の中の項目で初めて見ました。金額を見てみると約10万円程請求していました。これも支払う必要はないと考えられます。
- 耐震補強費用
…これも賃貸の際の計算書の中の項目で初めて見ました。購入する投資家、不動産投資会社は購入後は自分達の所有物になるので、自分達で建物の補強や管理をしなければいけないのに、その費用も借りる側に出させようとしていることになります。
- 事務手数料
…これも酷かったです。今回は、売る側(A様)と買う側(不動産投資会社)と直接の売買契約、賃貸借契約なので、仲介手数料は発生しません。なのに、事務手数料という名目で仲介手数料と同じ金額を請求していました。
この①~⑤の通常払わなくていい費用が加算されているのでA様の計算書の合計金額は150万円以上になっていました。
弊社は、A様に詳細に説明させていただき、その後、A様はその不動産投資会社にお断りの電話をされていました。
今回のA様は締結前にご相談をいただいたのでよかったですが、締結後はなかなかお断りするのは難しいと思います。
今回の不動産投資会社のような悪徳業者は残念ながらまだまだ存在しています。
リースバックは売買の際の条件調整も大事ですが、その後の賃貸(リース)の際の費用と条件のチェックも重要です。
不要と思われるものが記載されていたら要チェックです。どういうものなのか?何のために必要なのか?すぐに連絡して確認してください